『詩と思想』にて個人詩誌『ひやそのほかの』を紹介いただきました

3月1日発行の『詩と思想』2020年3月号詩誌評欄にて個人詩誌『ひやそのほかの』を紹介いただきました。

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今号から白島 真さんがご担当となったそうですが、その際に送られてきた詩誌は100冊以上であったといいます。昔から続く詩誌も多くある中で、このような個人詩誌にまで目を通し紹介していただきありがたい限りです。

その中で特に触れてくださったエッセイ「「産む」を作品にするとき」は「産む」をテーマにしたアート作品に触れ、考えたことなどを書いております。

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わたしの詩の中では身体性や場所などがテーマとしてあらわれてきがちなのですが、そのとき身体性や「産む」ことを神聖なものと、あるいは「穢れ」とみなしてしまってはいないか。それは、作品をつくる態度として正しいのかとあらためて立ちどまってみた文章です。

 
以前、こちらの記事で書いた通り、ツイッターのDMまたはメールにて自家通販を行っておりますので、ぜひお手にとっていただけるとうれしいです。

 

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夏前に2号も発行できればいいな……
よろしくお願いします!

詩書を読む タケイ・リエさん『The inland sea』

文学フリマ以降、体調がすぐれない日がつづき滞っていたが、
またこちらに読んだ詩書や詩集の感想を書いていこうと思う。

タケイ・リエさんの詩集『The inland sea』

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詩のタイトルはせとうちの島々と港の名前を冠し、
詩の中にはふんだんに、島々の文化と瀬戸内国際芸術祭での作品がモチーフとして盛り込まれている。

そのことばは静かで平易であるが、
ところどころにあらわれる固有名詞や具体的な作品のモチーフがキリっと詩を成り立たせる。

例えば『小豆島 Shodoshima』では、
「化け物も竜神さまも/みんな仲良く/ヤノベケンジの作品です」
といったように。

静かな島の生活に立ちあらわれた瀬戸内国際芸術祭の作品そのもののようである。

また船にのること、離岸と着岸をつよく意識したような「港」を書いた作品、
高松港 Takamatsu port』『宇野港 Uno port』は、
いちばんつらい時期にフェリーにのることが多かったわたしにとって共感する部分が多かった。

「都から流れてきてやっと/自分の言葉で考えられるようになった」、

(『高松港 Takamatsu port』)

「いくつもの旅が/離岸と着岸をうながして/よろこびも怒りも/静かにさせる」
(『宇野港 Uno port』)

波のゆれと離岸・着岸によって「移動」をはっきりと感じることで自身にむきあう時間を持つことを思い出させる。そんな詩集だった。

文学フリマ東京のお礼と自家通販のお知らせ

もう先週のことになりますが、ひさしぶりに文学フリマ東京に参加してきました。

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ブースまでお越しいただいた方、またツイッターなどで宣伝にご協力いただいた方ありがとうございました!

さて、文学フリマ東京に合わせて、わたし菊池依々子は個人詩誌『ひやそのほかの』を創刊しました。

これまで気が向くたびに詩誌の読者投稿欄に投稿していたのですが、載るか載らないか気にしてしまうのにちょっぴり疲れてしまったりして。続けて送ることができませんでした。
そういうことを気にせず、自分のペースででき、気楽に、読みたいと思ってくれる人にだけ届けられるものがあれば、と「個人詩誌」の形になったのでした。

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菊池依々子個人詩誌ひやそのほかの

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ひやそのほかの創刊号 目次

創刊号である今回は、ここ数年行ったり来たりしていた「せとうちの海」がふんわりとしたテーマになっています。そして、もうひとつの裏テーマは、「産むを作品にすること」です。伊吹島の出部屋(産小屋)跡地につくられたアート作品をみて考えたこと、「産む」を作品に表現することについてのエッセイを載せています。

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今後は、2月23日の文学フリマ広島に持っていく予定です。
また、自家通販もいたします。

  • 菊池依々子個人詩誌『ひやそのほかの』創刊号
  • 28P
  • 500円(送料込)

ツイッターのDMか、メールまでご連絡いただければと思います。

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また、本誌の委託など、置いて頂ける書店様がいらっしゃいましたら、同上の連絡先までご連絡いただければと思います。
よろしくお願いいたします。

詩誌をよむ 逸可実和子さん個人詩誌『Obscurity』

いまさらだが、インターネットで詩誌や私家版の詩集が手にはいることに気づき、気になっていた本をいくつか注文してみた。

まずは逸可実和子さんの個人詩誌『Obscurity』。

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ツイッターで拝見し、表紙のやさしい雰囲気のデザインにひかれた。実際手に取ると、やわらかい紙質の表紙にミシン綴じの装丁で丁寧につくられていることがわかる。それはまた、掲載されている詩を読んでいくとその詩のせかいを含んだデザインだった。

第一号

第一号の詩は詩と作者の距離が近いように感じる。また私自身が書かれていることに強めに共感してしまったため読むのがすこし苦しい。

 

Vol.2

「午睡」は「午後二時/時計の針がとまった/深く意識をしまいこんだ」という終盤の連から、それ以前のことばがふわっと幻想性を帯びるようで心地よい。

この号の中では「灰色」が好きだ。短い詩のなかに「さみしい」と感情を表す言葉がはいるが、この「さみしい」はきっと日常的な感情で特別な言葉ではないのだ。


寄稿されている岡嶋夏子さん「交点」。もう1作でもみられた特徴だが、一般的なカタカナ語に、ふつうはカタカナではあらわさない語がまぎれていてその語が不思議な語感を漂わせている。あえてカタカナであらわすことでその語を目立たせるのではなく、詩になじむようにしている。「つかみとり/チツにいれる」が、こんなになんでもないことのように書けるのか、と衝撃をうけた。

Vol.3

いまならわたしにも母と娘の詩が書けるだろうかと考える。しかしすぐにまだ無理かな、と思い直す。巻頭に置かれた詩「緑茶」では、母と娘の関係がとかれることなく描かれている。ラスト2行投げだされたようにも感じることばに、そのままにされた関係、「わからないひとには/わからない」関係がみえる。わたしが怯えて書こうとしないものが書かれている。

この号のゲスト一由悠太さん「島」は擬人過的な描写をしつつ、それを書ききらないことで、ラストまでつなげていく。擬人化する対象のぶれが相互にかさなりあっていて、それが「じんましん」だったり「島」だったり「小鳥」だったりするので読むものに身体的な感覚をもたらしつつ、映像としてもみせてくる面白さがある。

『Obscurity』は1年に1回のペースで発行予定とのこと、今後も楽しみ。

 

さて、勢いあまって長くなってしまった。

他の購入した詩誌・詩集についてはまた記事をあらためて書きます。

TANKASONIC2019に参加しました「知らない犬」

短歌×夏フェスというコンセプトのすてきなネットプリント企画TANKASONIC2019に参加しました。

こちらの企画、

 このようにタイムテーブルも公開され、参加者がそれぞれ好きなアーティストを詠むといったものなんです。残念ながらすでにプリントの期限は切れておりますが紙面も凝った作りでその中に自分の作品があるのはうれしいものです。

こうした企画に参加するのは初めてなので緊張しましたが参加できて本当によかった!!

わたしが出したのは友川カズキさんの曲をイメージして詠んだこの5首です。

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TANKASONIC2019参加作品「知らない犬」

 

 ひとつ降りあしあとのないミズウミに詩をのみほした犬が立っている

 肉体をたがやす音で目覚めれば街が擦りよる知人のごとく

 いつかみた夢の真中に雪の降るくにを黙って抱えている人

 詩のまえの固くなりゆく身体あり故郷のお前のうたを知りたい

 手をひかれ行けども稲穂つんのめる見知らぬ空が背におそいくる


わたしの場合、1種に対応する特定の曲はないのですが(5曲あげてセットリストにしているかたもいらっしゃって面白かったです)、メインのイメージになっている曲は「桜の国の散る中を」と「犬」ですかね。

music.apple.com

みなさん必聴の一曲をあげてらして、そちらには「一切合財世も末だ」をあげています。なんとプレイリストになっているようなので、よろしければそちらでも聴いてみてください。

7daysで100短歌を詠むに挑戦したはなしとそのまとめ

フォロワーさんがなにやらおもしろいことに挑戦しているのをみかけ、よしやろう!と9/3 18:00~9/10 17:59で #7days100tanka いたしました。 

 

#7days100tanka とはその名のとおり1週間で100種短歌を詠む企画だそうですが、まあなかなか大変で、カルチャーをやめて数ヶ月提出する短歌をつくることもなくなったので、久しぶりに追いこんだ感じです。

ひととおり推敲もするとはいえ、短時間なのでイメージが被るというか、頻出単語が出てきてしまいましたがそれでもなかなかの達成感。
短歌初心者なわたしにはいい訓練になりました。

以下、100首の中から近いイメージのものをとりだして簡単にまとめました。読んでいただけるとうれしいです!

 

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#7days100tanka より「なくなったカフェを」

001 コーヒーに牛乳入れてのむ夜は幸福のわりあいが少ない

060 おもいでのクリームソーダには鍵がかけられていてもうとどかない

069 なくなったカフェをさがしているだけでナポリタンとか嫌いなんです

003 えいえんに食べていてほしい大人にはみえないはっさくゼリーすくって

 

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#7days100tanka より「段ボール何箱分」

004 3年もひとりで生きているけれど電球のかえ方を知らない

014 段ボール何箱分のわたしかと訊ねてほしいあかるいお部屋

092 鍵がかかる 誰かが家――わたしの家だったこともある家に住んでいる

016 外海と入れかわるのに4週間わたしの海は閉鎖的な海

073 はたらかないあいだしっぽがのびていく立派にほほえむイヌになります

 

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#7days100tanka より「おいていかないで」

027 さわれない スパイスのにおいの指をきみが意地汚くしゃぶるから

040 きみがよぶまでおふろのそこにいて深夜ラジオをくりかえしきく

064 キッチンに1個の南瓜もうだれに抱かれていたのかもわからない

076 はじまりにあなたは何ていったっけ? 葡萄の皮はくちにふくむの?

100 おいていかないで裸足のあいだからにわかにむれだつ雲のさざなみ

 

ありがとうございます! 
また、短歌の企画に参加して、いずれは投稿などもしたいな……

 

さらざんまい短歌

ツイッターのログを消してしまったので、ツイッターでだけ掲載していた作品を残しておこうシリーズ。

直近のもので、アニメ『さらざんまい』によせた短歌連作があったのでこちらに掲載いたします。

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いま自分で読んでみても、ああ、こういう気持ちで詠んだのだったな、と思い出されます。

「通知」とか「てのひらの呟き」「手にはいる航路」とかいったワードがわかりやすくSNSのやりとりを指していますしね。